HYROXの食事管理①|カーボローディングの基本
当日のパフォーマンスは食事の準備で大きく変わります。約60〜90分の高強度競技でガス欠を防ぐ、カーボローディングの基本。体重別の目安量と、押さえるべきポイントを解説します。

トレーニングは頑張っていても、食事までは手が回らない。そんな方も多いかもしれません。でも当日のパフォーマンスは、食事の準備で大きく変わります。どんなに練習を積んでも、エネルギーが足りなければ後半で失速してしまう。逆に食事を味方につければ、最後まで力を出し切れます。今日はその要、カーボローディングをお届けします。
なぜカーボローディングが必要か
HYROXは約60〜90分の高強度競技。短時間でも体内の糖(グリコーゲン)を一気に消費します。これを防ぐため、レース前にエネルギーを満タンにしておくのがカーボローディングです。ガス欠を防ぐための「燃料の備蓄」だと考えてください。
目安は、レースの24〜36時間前から、炭水化物を1日あたり体重1kgにつき6〜8g。
体重60kgの方 → 約360〜480g/日 体重70kgの方 → 約420〜560g/日 体重80kgの方 → 約480〜640g/日
数字だけ見ると多く感じますが、「いつもの食事の中で炭水化物の比率を上げる」イメージが近いです。
おさえるポイント
消化の良い糖質を選ぶ:白米・パスタ・パン・芋・オートミールなど。脂質と食物繊維は控えめにして、胃腸トラブルを防ぎます。揚げ物や脂っこいものは消化に時間がかかるので、この時期は控えめに。
体重増加は気にしない:この時期に1〜2kg増えても心配いりません。糖を蓄えると水分も一緒に保持されるため、これは正常な反応です。むしろエネルギーが満タンになった証拠と考えましょう。
新しい食品を試さない:食べ慣れたものだけにしましょう。本番前に胃腸を崩すリスクは避けるべきです。普段食べないサプリやエナジー系の食品を、大会前に初めて試すのは禁物です。
実践のヒント
具体的には、前日の夕食を「ごはん多めの和定食」や「パスタ中心の食事」にするイメージです。脂の多い揚げ物や、食物繊維の多い生野菜サラダを大量に食べるのは、この時だけは控えめに。消化に良く、糖質がしっかり摂れるものを選びましょう。水分も一緒にこまめに摂ることで、糖の貯蔵がスムーズになります。
「何をどれだけ食べればいいか分からない」という方は、まず前日の主食を一皿増やすところから始めてみてください。完璧を目指す必要はありません。普段の食事をベースに、糖質を意識的に多めにする。それだけでも、当日のエネルギー切れをぐっと防げます。不安があれば、クラスでも個別に相談に乗ります。
逆に避けたいのは、「前日に急にたくさん食べる」やり方です。一度に大量に詰め込むと胃腸に負担がかかり、かえって当日の調子を崩します。ローディングは前々日あたりから少しずつ糖質を増やすのがコツ。また、アルコールは回復と水分保持を妨げるので、大会前は控えるのが賢明です。小さな積み重ねが、当日のコンディションを作ります。
極端な食べ過ぎはかえって胃腸に負担をかけるので、質と量のバランスを意識してください。食事は、トレーニングと同じくらい真剣に準備する価値があります。一緒に万全の状態で当日を迎えましょう。カーボローディングと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、要は「大会前は主食をしっかり、脂っこいものは控えめに」というシンプルな話です。特別なことをするより、いつもの食事を少し調整する。それだけで、当日の粘りが変わってきます。まずは前日の夕食から意識してみましょう。次回は食事管理②、大会当日の食事タイミングをお届けします。
なお、本記事は一般的な栄養の目安です。持病やアレルギーのある方、食事制限のある方は、専門家にご相談のうえ調整してください。