エルゴ系|SkiErg&ローイング攻略|飛ばさず一定で漕ぐ
HYROXの「漕ぐ」2種目、SkiErgとローイング。飛ばしても数秒しか変わらないこの種目で、いかに心拍をコントロールし体力を温存するか。全身の使い方と練習ドリルまで解説します。

HYROXには「漕ぐ」種目が2つあります。第1のSkiErg(1000m)と、第5のローイング(1000m)。
どちらも全身のマシン種目で、共通するのは「飛ばしても数秒しか変わらないのに、飛ばすと消耗だけが残る」という点です。
この2種目をどう漕ぐかで、レース全体の余力が決まると言っても過言ではありません。今日はこの2種目を賢く攻略するコツをお届けします。
エルゴ系に共通する原則
エルゴ系は、レース全体のペース管理の要です。全力で漕いでも1000mで縮まるのはわずか数秒。その数秒のために心拍を振り切ると、後続のスレッドやランで大きく失速します。「10〜15秒ゆっくり」でちょうどいい、と覚えておいてください。エルゴ系は「タイムを稼ぐ場所」ではなく「心拍をコントロールする場所」です。この発想の転換が、完走できるかどうかの分かれ目になります。
SkiErg(第1ステーション)のコツ
SkiErgはレースの最初。まだ体が元気なので、つい飛ばしがちですが、ここが罠です。両手のハンドルを掴み、体重を使って引き下ろすのがコツ。腕だけで引くと肩がすぐ疲れます。少し膝を曲げて臀部を後ろに引き、背中はフラットに保つ。強く一定のストロークで、リズムよく。「速く漕ぐ」より「効率よく1000mに到達する」意識で入りましょう。SkiErgで突っ込むと、直後のスレッド2種目に、すでに限界の状態で入ることになります。序盤を少し抑えるほど、レース終盤で効いてきます。
ローイング(第5ステーション)のコツ
ローイングは、HYROXで唯一「座れる」種目。第4のバーピーで心拍が跳ね上がった直後なので、正しく漕げばここはアクティブリカバリー(積極的休息)になります。入りは抑えめにして心拍を落とし、その後に持続可能なペースへ。
動きの順番は「脚→体幹→腕」。脚で押し出し、上体を倒し、最後に腕で引く。戻りは逆の順序で、腕→体幹→脚と戻します。ストロークレートは1分あたり24〜28程度の低めに保ち、レートを上げるより1回を強く引くほうが効率的。バタバタ高回転で漕ぐのは消耗のもとです。ここで心拍を落とせるかどうかが、終盤の運搬系3種目の余力を左右します。
よくあるミスと対策
両種目とも「腕だけで引く」のが最大のミス。全身の大きな筋肉(脚・背中)を使えば、同じ出力でも疲れにくくなります。また、SkiErgで序盤に飛ばしすぎるのも典型的な失敗。元気なうちほど冷静に、決めたペースを守りましょう。
おすすめ練習ドリル
エルゴ系は「一定ペースを保つ感覚」を体に入れることが何より大切です。
スプリット固定走:マシンの500mスプリット表示を見ながら、決めたペースを1000m維持する練習。自分の「巡航ペース」を把握できます。
長短インターバル:長め(500m×4)と短め(250m×6)を組み合わせ、心肺と一定ペース維持力を鍛える。
バーピー→ローイング:本番同様、バーピーで心拍を上げた直後にローイングへ。「心拍を落としながら漕ぐ」感覚を練習します。
マシンに表示されるペースは、あなたの最良のコーチです。数字を味方につけ、自分の巡航ペースを知っておきましょう。エルゴ系は派手さこそありませんが、「ここで無理をしない」と決めておくだけで、レース全体が驚くほど安定します。焦らず、一定のリズムで。淡々と刻む人が、最後に強いのです。マシンの数字は嘘をつきません。自分のペースを知り、それを守る。それだけで大きな武器になります。次回は運搬系(ファーマーズキャリー&サンドバッグランジ)です。